伊坂幸太郎/あさのあつこ/佐川光晴/朝井リョウ/柳広司/奥田英朗
人気作家陣が「少年」をキーワードに紡いだ短編作品9本を収録したアンソロジー。家族や友人との関係に悩む繊細な心情や、背伸びするいじらしさなど、少年の魅力がぎゅっと詰まった1冊。(解説/壇蜜)
本書の最大の魅力は、豪華執筆陣が「少年」という多面的なプリズムを通し、無垢さと残酷さ、そして成長の痛みを見事に描き出している点にあります。伊坂幸太郎の軽妙な筆致や朝井リョウの鋭い観察眼が、揺れ動く少年の内面を鮮やかに浮き彫りにし、読者は彼らの背伸びした自意識や孤独に、かつての自分自身を重ねずにはいられないでしょう。 単なる成長物語に留まらず、各著者の個性が光る技巧的な物語構成は、短編ならではの濃密な読書体験を約束します。言葉にならない葛藤や、世界と対峙する一瞬の輝きを掬い取った本作は、大人の読者にこそ響く普遍的な文学的価値を宿しています。瑞々しい感性が弾ける珠玉のアンソロジーを、ぜひその胸で受け止めてください。