あらすじ
ISBN: 9784062933513ASIN: 4062933519
東国から帰洛した親鸞に魔手が伸びる。専修念仏を憎悪する怪僧・覚蓮坊が、親鸞の長男・善鸞をそそのかし『教行信証』を奪おうとしたのだ。だが、その前に立ちはだかったのは、数奇な半生をたどり、宋の富商に身請けされたという謎の女借上、竜夫人だった。このふたりと、親鸞の因縁とは? 入魂の三部作、完結。
逢魔が刻の客
覚蓮坊の夢
西洞院の家
白河印地の党
船岡山の夜明け
竜夫人の秘密
美しい五月の朝に
唯円の悲しみ
夜にひそむ者たち
珊瑚の櫛
蜘蛛の糸のように
はるかなる年月
善鸞の野心
東国からの使者
男たちの密謀
心に吹く風

日本の文芸界が生んだ孤高の物語作家であり、時代を穿つ鋭い洞察力で映像世界の地平を広げ続けるマエストロ、それが五木寛之です。彼は単なる劇作家の枠を超え、人間の内面に潜む光と影を言葉という血肉で描き出してきました。1990年代末の混沌とした東京を舞台に、警察と裏社会の攻防を鮮烈に描いた傑作テレビシリーズ、トウキョウ・バイスで見せたその手腕は、日本国内に留まらず、ハリウッドを筆頭とする国際的なプロダクションからも極めて高い評価を得ています。彼のキャリアを俯瞰すると、重厚な社会派ドラマから、胸を打つロマンス、そして人間賛歌としてのコメディに至るまで、驚くほど広範なジャンルを網羅していることが分かります。その根底に流れているのは、過酷な現実の中でなおも輝きを失わない人間の尊厳への深い情愛です。膨大な作品群を通じて磨き上げられた叙情的な表現と、観客の心を鷲掴みにするドラマチックな構成力は、現代のストーリーテリングにおける一つの到達点と言えるでしょう。キャリア統計が示すその一貫した質の高さと、ジャンルを自在に横断する多才さは、彼が単なる多作なライターではなく、物語の力で時代を定義する稀有な表現者であることを証明しています。五木が紡ぐ言葉は、これからも国境や世代を越え、観る者の魂に消えない灯をともし続けるに違いありません。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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