あらすじ
五木寛之と姜尚中が対話。
私達はみな、故郷をねこそぎにされた「漂流者」ではないか。いまもっとも対談が切望されるふたりの初の本。
十年にわたる対話と、「いのち」についての語りおろし。
第1部 「鬱の時代」を生き抜く
悩むことの必要
躁の時代から鬱の時代へ
不安の時代における個人の発見
見えない戦争の時代を生きる
第2部 無力=パワーレスパワー
東日本大震災の空気
浄土と希望
「二者択一」ではない世界
ビニール質の思想
第3部 日本人であることの限界
日本人の御利益と階級社会
はみだしていった者たちの歴史
故郷を奪われた者として生きる
デラシネの末裔
第4部 漂流者の生きかた
働く場所がふるさとだ
移動する者の減少
格差が生んだもの
漂流者の覚悟
第5部 おれたちはどう生きるか
鵺として生きる
階級社会と格差
区別されることからのエネルギー
裁かない生きかた
ISBN: 9784487811212ASIN: 448781121X
作品考察・見どころ
本書は、五木寛之と姜尚中が「根無し草」の宿命を肯定し、絶望を生き抜く哲学を綴った魂の交信録です。漂流せざるを得ない孤独を、自由への出発点へと変えるその対話には、現代の閉塞感を打ち破る強靭な生への意志が宿っています。単なる慰めではない、泥の中から蓮を咲かせるような覚悟が読者の心を震わせます。 映像版は二人の眼差しや沈黙の「間」で言葉を超えた祈りを体感させますが、書籍は研ぎ澄まされた語彙で深い内省を促します。視覚的な熱量と、テキストならではの深遠な沈索。この相乗効果こそが、漂流者として生きる真の強さを私たちに授けてくれるのです。


















