あらすじ
「とびちゃんが、子猫を連れてきた! いっぱい!」
作家として非常勤講師として、忙しい日々を送る椹野道流さん。
突然の母親のことばが、波乱の幕開けでした。
実家の近くに現れた美しい猫、通称「とびちゃん」が産んだのは、
色も柄も違う、個性豊かな五匹の子猫だったのです。
なりゆきで、椹野さんはとびちゃんの子育てを手伝うことに。
けれど警戒心の強いとびちゃんは、近寄らせてもくれなくて……。
小説投稿サイト「カクヨム」で大人気の猫エッセイ、
末っ子・ちびすけとの出会いなどの書き下ろしと多くの写真を加えて、待望の書籍化!
はじめに 我が家のメンバーをご紹介します!
一章 とびちゃんとの出会い
二章 子猫たちがやってきた!
三章 とびちゃん一家をもてなす
四章 猫一家が現れる場所
五章 猫食堂の日々
六章 動物愛護協会
七章 捕獲にトライする!
八章 TNRな日々
九章 新たな関係性
十章 とびちゃんとの戦い
十一章 寒い冬だから
十二章 部屋に入れてはみたけれど
十三章 戻ってきたとびちゃん
十四章 母と子の再会
十五章 とびちゃんその後
十六章 とびちゃん一家の暮らし
十七章 長兄、家に入る。
十八章 ちびすけ、登場!
十九章 思いがけない合流
最後に
作品考察・見どころ
椹野道流氏が描く猫との日々は、単なる愛好家の記録を超え、命を預かる者の覚悟と慈しみが凝縮された珠玉の人間讃歌です。本作の根底に流れるのは、言葉の通じない他者と心を震わせ合い、共に生きることの「凄み」に他なりません。美辞麗句で飾られた癒やしではなく、時に厳しくも圧倒的に優しい現実が、読者の魂を力強く揺さぶります。 著者の筆致は、猫の柔らかな毛並みに触れるような温かさと、生命の儚さを見つめる誠実さが同居しています。一瞬の仕草から汲み取られる物語性は、読者に「今、この時」を愛し抜く勇気を与えるでしょう。猫を通して描かれるのは、私たち自身の孤独や救い、そして愛の形そのものです。本書を閉じるとき、あなたは身近な命の尊さに心底気づかされるはずです。