あらすじ
雨乞いの法会を切り抜けた親鸞は、外道院と袂を分かち、越後に施療所を開設する。恵信とともに訪れる人びとと話し合う穏やかな日々を過ごしていた折、法然の訃報が届く。とうとう師を喪った親鸞は、自分自身の念仏をきわめることを決意する。そして同じ頃、関東から誘いがかかったのはそのときだった。ベストセラー第二部。
激動の時代に、親鸞が走る!
未知の世界を生きる力とはなにか。
雨乞いの法会(ほうえ)を切り抜けた親鸞(しんらん)は、外道院と袂を分かち、越後に施療所(せりょうじょ)を開設する。訪れる人びとと話し合う穏やかな日々を恵信(えしん)とともに過ごしていた折、法然(ほうねん)の訃報が届く。とうとう師を喪(うしな)った親鸞は自分自身の念仏をきわめることを決意する。関東から誘いがかかったのはそのときだった。ベストセラー第二部。
風と雪と海と
流れゆく歳月
未知の世界へ
山と水と空と
まがりくねった道
稲田の草庵にて
風雨強かるべし
光陰矢のごとく
都を思えば
黒念仏の闇
出会いと別れ
それぞれの出発
飛びたつ鳥のように
映画・ドラマ版との違い・考察
五木寛之が描く親鸞は、聖人君子ではなく、迷い、もがき、泥にまみれる一人の「人間」です。本作の文学的見どころは、師である法然の死を乗り越え、自らの足で念仏の真髄を掴み取ろうとする魂の自立にあります。越後の厳しい自然や名もなき民衆との交流を通じて、生きるための「力」を紡ぎ出す著者の筆致は、まさに圧巻の一言に尽きます。 映像化作品では、その激動の時代背景がダイナミックな視覚情報として補完されますが、文字で綴られる内省的な思索の深みと静謐さは、原作本でしか味わえない贅沢です。映像の放つ躍動感と、書籍が湛える哲学的な奥行き。この両メディアを往復することで、親鸞という巨人の実像がより立体的に、私たちの心に突き刺さるはずです。


















