あらすじ
知的障害のため7歳程度の知能しか持たないサムは、一人娘のルーシーや、心温かい仲間たちと共に楽しく幸せに暮らしていた。しかしルーシーが7歳になる頃、ソーシャル・ワーカーから、サムは父親としての養育能力がないと判断を下される。ルーシーは施設で保護されることになり、サムは週に2回だけの面会を許可された。最愛の娘との幸福な日々を奪われ、失意にくれるサム。彼は法廷で戦ってルーシーを取り戻す決意を固め、負け知らずのエリート弁護士、リタを訪ねるが...。映画のセリフがすべて分かる完全対訳と充実の語句解説付。
ISBN: 9784894073005ASIN: 4894073005
作品考察・見どころ
本作の本質は、愛に知能の優劣は関係あるのかという倫理と感情の対立にあります。サムが放つ無垢な言葉は、論理を優先する現代社会の歪みを浮き彫りにし「真の親愛とは何か」を鋭く問いかけます。ビートルズをメタファーに、世界の複雑さを純愛で塗り替えていく彼の姿は、一つの文学的福音と言えるでしょう。 映像版では俳優の演技が胸を打ちますが、テキストで味わう醍醐味は、サムの独特な語彙や沈黙の重みを精緻に咀嚼できる点にあります。視覚情報がないからこそ言葉に宿る切実な祈りが響き、映像の感動を知識と感性の両面から補完する、至高のシナジーを生み出しているのです。

