あらすじ
憑かれたようにおきる怪現象の数々。誰もいないはずの部屋から聞こえるノックの音、謎の発光、ひとりでに動きだす家具、不思議な噛み跡、コトコトと震えだす小ビン、引き裂かれた聖書、飛んでくるコップ・皿・ナイフ...。ある人物の周辺、ある家でのみ頻発するこの超常現象の正体は、いったい何なのか?霊のいたずらか、それとも無意識に発現されるサイキックパワーなのか?「ポルターガイスト」という言葉を世に知らしめた本格サイコ・ノンフィクションの傑作。
ISBN: 9784894563780ASIN: 4894563789
作品考察・見どころ
本作の魅力は、日常を侵食する不可視の恐怖を徹底した観察眼で捉えた点にあります。単なる怪談の枠を超え、物質が意志を持ったかのように跳梁跋扈する様は、人間の理性の脆弱さを残酷なまでに突きつけます。冷徹な筆致で克明に記述されるからこそ、読者の想像力は極限まで研ぎ澄まされ、静寂の中に潜む小さな違和感にさえ心底からの戦慄を覚えるはずです。 また、怪現象を霊の仕業のみならず、人間の内なる無意識のエネルギーとして考察する多角的な視座が、作品に類稀なる奥行きを与えています。外界の異常は、実は人間の精神の揺らぎが結晶化したものではないか。科学と神秘の境界線で揺れ動くこの知的な緊迫感は、現代に生きる我々の探究心を激しく揺さぶり、未知なる領域への扉を開かせてくれるでしょう。

