あらすじ
ISBN: 9784758446402ASIN: 4758446407
三年ぶりに吉祥寺本店に店長として復帰した山本猛は張り切るが、相変わらず人を苛立たせる天才だ。
それでも部下の京子は新人作家の才能に打ちのめされ、好きな作家の新作に心躍らせ、時には泣き、笑い、怒り、日々戦っている。
スタッフや作家の大西先生や小料理屋を営む父親などの応援を受けながら──。
思いっきり楽しんだあとに小説と書店の未来を、仕事の意味を、生きる希望を改めて深く考えさせられる、二〇二〇年本屋大賞ノミネート作品の第二弾。
(解説・大九明子)
本作の真骨頂は、書店という戦場を舞台に、理想と現実の間で揺れ動く人々の熱量を早見和真が圧倒的な筆致で描き切った点にあります。人を苛立たせる天才・山本店長という不条理の象徴に対し、主人公の京子が抱く怒りや喜び、そして文学への純粋な畏怖は、働くすべての人の魂を震わせる普遍的な力を持っています。 単なるお仕事小説を超え、本作は「なぜ私たちは本を必要とするのか」という問いに肉薄します。才能に打ちのめされつつも物語の力を信じ抜く書店員たちの姿には、言葉を届けることの尊さが刻まれています。爆笑の裏に秘められた、文化を繋ぐ者たちの誇りと生きる希望を、ぜひ全身で受け止めてください。