あらすじ
ISBN: 9784344031012ASIN: 4344031016
父が交通事故に巻き込まれたことをきっかけに、父と母は違う神さまを信じはじめ、ぼくの家族には“当たり前”がなくなった。ぼくは担任の先生に助けを求めたが、どうやら先生にも自分の正義があるらしい。大人たちが信じられなくなったいま、ぼくの「正しい」の基準は、親友の龍之介だけ。妹のミッコを守ることでなんとか心のバランスを取りながら、ぼくは自分の武器を探すことにした。いつか、後悔だらけの大人にならないためにー。『ぼくたちの家族』から6年。次の家族のストーリー。あの頃の“痛み”がよみがえる成長の物語。
早見和真は本作で、信じることの残酷さと崇高さを鮮烈に描きました。事故を機に異なる神に縋る両親の姿は、日常が崩壊する恐怖を浮き彫りにします。大人の勝手な正義に翻弄されながらも、自らの足で立とうとする少年の痛切な叫びは、読者の魂を激しく揺さぶる比類なき文学的体験となるでしょう。 物語の核は、孤独な子供が手にする武器の模索にあります。親友との絆や妹を守る責任感が、逃げ場のない現実を生き抜く唯一の光となる。著者の冷徹かつ温かな筆致は、かつて大人に絶望した経験を持つすべての人に、心の痣を突きつけながらも、未来への確かな希望を力強く提示してくれます。