あらすじ
ISBN: 9784758444262ASIN: 4758444269
谷原京子、二十八歳。吉祥寺の書店の契約社員。超多忙なのに薄給。お客様からのクレームは日常茶飯事。
店長は山本猛という名前ばかり勇ましい「非」敏腕。人を苛立たせる天才だ。ああ、店長がバカすぎる!
毎日「マジで辞めてやる!」と思いながら、しかし仕事を、本を、小説を愛する京子は──。
全国の読者、書店員から、感動、共感、応援を沢山いただいた、二〇二〇年本屋大賞ノミネート作にして大ヒット作。
巻末にボーナストラック&早見和真×角川春樹のオリジナル対談を収録!
早見和真は、日常の澱みに潜む真理を鮮やかに掬い上げる名手です。本作の核心は、理不尽な環境への憤りと、それでも捨て去れない書物への執着のせめぎ合いにあります。店長への苛立ちは単なる愚痴を超え、理想と現実の狭間で喘ぐ働く者すべての魂の叫びとして、読む者の胸を激しく揺さぶります。 文学的な白眉は、過酷な現実の先に一冊の小説が救いとなる瞬間の神々しさです。物語のバトンを繋ぎ止める書店員の誇りを、ユーモアと毒を交えて描く筆致は見事。滑稽さと切なさが交錯する、全ての読書人に捧げられた熱い連帯と再生の記録です。