あらすじ
ISBN: 9784103361541ASIN: 4103361549
ジャニー、メリー、「嵐」のこと、廃業。旧ジャニーズ事務所代表の肉声。旧ジャニーズ事務所の性加害問題で批判を浴びた、元社長・藤島ジュリー景子とはどんな人物なのか? 彼女はいま何を思うのか? 国民的アイドル「嵐」との出会いと活動終了、叔父・ジャニー喜多川との関係、母・メリーとの確執、ファンとタレントたちへの思い、事務所廃業──。一人の小説家に、はじめて胸の内を明かした。
本作は、巨大帝国の終焉を単なる記録ではなく、血脈の呪縛に抗い続けた一人の女性の魂の独白として描き出しています。早見和真は、冷徹な観察眼と共感をもって、表舞台では決して見せなかった内面の葛藤を浮き彫りにしました。嵐を支えた影で、肉親との確執に揺れる彼女の姿は、もはや一つの文学的悲劇と呼べるほどの重みを湛えています。 著者の筆致は、事実の背後にある語られなかった感情を掬い上げ、読者を濃密な人間ドラマへと誘います。栄華の果てに選んだ決断は、家族という名の檻から逃れるための再生の叫びだったのか。芸能史の裏側に隠された、美しくも残酷な物語として、本書は読み手の魂を強く揺さぶります。