小川哲
クイズ番組の決勝で、僕の対戦相手は1文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たす。彼はなぜ正答できたのか? 推理作家協会賞受賞&本屋大賞6位、圧巻のエンターテインメント。文庫化に際し短編小説「僕のクイズ」を収録! 解説は田村正資氏。
小川哲が提示したのは、クイズという知の格闘を通じた人生の総括です。一文字も読まれぬ中での正解という不可解な謎を、個人の記憶と知識が交差する瞬間の哲学へと昇華させた筆致は圧巻。読者はプレーヤーの思考の深海へと誘われ、断片的な知識が血肉となり、一つの物語へと結実する神秘の瞬間に立ち会うことになります。 映像版が放つスタジオの熱狂や緊迫感に対し、原作の真髄は活字ならではの濃密な内面描写にあります。映像が「正解という衝撃」を視覚化する一方で、本書はその背景にある膨大な「思考の軌跡」を鮮やかに解体して見せる。両メディアを往還することで、正答の先に広がる人間ドラマの深淵をより熱く、深く堪能できるはずです。
小川 哲 は、日本の小説家。千葉県千葉市出身。日本SF作家クラブ会員。妻は漫画家の山本さほ。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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