
あらすじ
「相手は間違っている加害者で、自分は常に正しい被害者であるという考えから脱却したい。未知の相手に触れて、自分の信じる正しさに揺さぶりをかけたい。不完全な自分を許し、不完全な他人を許す勇気を持ちたい。」(本文より)
SNSを捨て、喧嘩を始めよう。
“合わない人”を遠ざける人生は、心地いいけどつまらない。
もっと沸き立ちたいあなたに送る、現代人必読の〈喧嘩入門エッセイ〉誕生!
駅でキレているおじさん、写真を撮りまくる観光客、理解できない政党と支持者、疎遠になった友だち、時にすれ違う家族や恋人……。
「敵」と決めつけて遠ざけるより、生身の体でかれらと出会い直し、逃げずにコミュニケーションをとりたい。
ZINE『35歳からの反抗期入門』が口コミで大ヒット中の書き手・碇雪恵による、待望の商業デビュー作。
憎みかけた「そいつ」と共に生きていくための思考と実践の記録をまとめた14編を収録。
作品考察・見どころ
私たちはいつから、異質な他者を「敵」と決めつけ、正義の殻に閉じこもるようになったのでしょうか。碇雪恵氏が綴る本書は、安易な断絶に逃げず、不快な相手とあえて対峙する「対話としての喧嘩」を提唱する鮮烈な一冊です。SNSのブロック機能が処世術となった現代において、生身の体で他者の領域に踏み込み、自らの正しさを揺さぶられることの豊かさを、熱を帯びた筆致で描き出しています。 このエッセイの真髄は、不完全な自分を許し、他者との摩擦の中にこそ生の実感を見出す点にあります。読み進めるうちに、疎ましく感じていた「あの人」の輪郭が変わり、自分自身の内面を映し出す鏡へと変容していくはずです。孤独を癒やすための馴れ合いを捨て、他者と泥臭く交わりたいと願うすべての人へ、勇気と衝撃を与える魂の記録。読み終えたとき、あなたの世界から本当の意味での「敵」が消え、新しい出会いが始まるでしょう。