あらすじ
僕は自分から何かを奪う人間を許さないーー。
かつてないドライブ感と衝撃。予測不能のダークミステリ!
19歳の坂木錠也(さかき じょうや)は、ある雑誌の追跡潜入調査を手伝っている。
危険な仕事ばかりだが、生まれつき恐怖という感情が欠如した錠也にとっては天職のようなものだ。
天涯孤独の身の上で、顔も知らぬ母から託されたのは、謎めいた銅製のキーただ1つ。
ある日、児童養護施設時代の友達が錠也の出生の秘密を彼に教える。
それは衝動的な殺人の連鎖を引き起こして……。
二度読み必至のノンストップ・ミステリ!
「道尾秀介本人がサイコパスなのではないか」
という疑念が生じるほどに、真に迫った表現がされている。
ーー中野信子(脳科学者)【解説より】
ISBN: 9784041113301ASIN: 404111330X
作品考察・見どころ
道尾秀介が到達したダークミステリの極北とも言える本作は、恐怖を欠落させた主人公の視点を通じ、人間の内に潜む空虚と暴力性を鮮烈に描き出します。単なる謎解きの範疇を超え、剥き出しの生を生きる若者の生存本能が、読者の倫理観を激しく揺さぶる点に本質的な魅力があります。 特筆すべきは、一人称視点が生む圧倒的な没入感です。読者はいつしか主人公の冷徹な眼差しと同化し、予測不能な展開の中で自らの深淵を覗き込むことになります。それは物語という名の鍵で己の心の檻を抉り開けるような、痛烈かつ破壊的な読書体験となるでしょう。