あらすじ
ISBN: 9784041006191ASIN: 4041006198
あの頃、幼なじみの死の秘密を抱えた17歳の私は、ある女性に夢中だった……狡い嘘、幼い偽善、決して取り返すことのできないあやまち。矛盾と葛藤を抱えて生きる人間の悔恨と痛みを描く、人生の真実の物語。
道尾秀介が描くのは、若さゆえの過ちが生んだ一生消えぬ業の深淵です。本作の白眉は、少年期の残酷な嘘が長い年月を経て静かに人生を蝕む、その圧倒的な心理描写にあります。主人公の悔恨に触れるたび、読者は自らの奥底に封印したはずの小さな偽善を抉り出されるような、鋭利な衝撃を味わうことになるでしょう。 因果は円を描き、逃れようのない宿命として私たちを締め付けます。しかし、その苦痛こそが生きる証だと突きつける著者の筆致は、冷徹でありながら不思議な慈愛に満ちています。絶望と再生が交錯するこの救いのない美しさに、あなたは激しく打ちのめされるはずです。