あらすじ
ISBN: 9784344410374ASIN: 4344410378
「ゴビラサ……」道尾の前で謎の言葉を呟いた男は、数日後に刺殺体で発見された。やがて、彼の残した言葉と度重なる霊現象が結びついた時、孤独な少年の死に端を発した一連の事件にまつわる驚愕の真実が明らかになる。美貌の助手・凜を伴う怜悧な霊現象探求家・真備と、売れないホラー作家・道尾のコンビが難事件に挑む!
道尾秀介の原点である本作は、ホラーの不気味さとミステリの論理性が鮮烈に融合した傑作です。最大の魅力は、怪異の深層に横たわる切実な孤独と救済の物語にあります。論理で怪異を解く真備の怜悧さと、語り手・道尾の繊細な感性が共鳴し、恐怖はいつしか震えるような哀惜へと昇華されていきます。 下巻で明かされる真実の奔流は、読者の予想を裏切り、心の柔らかな部分を容赦なくえぐります。事件の背後に潜む眼の正体が、過去の残照であると気づく時、読者は震愕するでしょう。美しくも残酷な結末は、忘れがたい余韻と共に、著者が描く人間愛の深さを私たちに突きつけます。