横関大
小学校卒業の直前、悲しい記憶とともに拳銃をタイムカプセルに封じ込めた幼なじみ四人組。23年後、各々の道を歩んでいた彼らはある殺人事件をきっかけに再会する。わかっていることは一つだけ。四人の中に、拳銃を掘り出した人間がいる。繋がった過去と現在の事件の真相とは。第56回江戸川乱歩賞受賞作。
横関大が描く本作の真髄は、過去の十字架を背負った者たちの慟哭にあります。タイムカプセルに託した罪が暴かれる過程は、友情と倫理の間で揺れる人間の業を鮮烈に浮き彫りにします。緻密な構成で綴られる、逃げ場のない心理戦こそが最大の文学的魅力です。 映像版が役者の表情で緊張感を伝えたのに対し、原作は文字でしか語り得ない内なる後悔が際立ちます。映像の躍動感を活字の独白で補完すれば、物語の解像度は格段に深まります。この逃れられない宿命の連鎖を、ぜひ書籍ならではの深みで味わってください。
横関 大 は、日本の小説家・推理作家。静岡県富士宮市生まれ。武蔵大学人文学部日本文学科卒業。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。