あらすじ
ISBN: 9784758446686ASIN: 4758446687
銀座のはずれにある、ちょっと変わった「ちぐさ百貨店」。
千種綺羅の祖母美寿々が営むこの店は、雑貨を売る傍ら、尻尾に魅力が隠された焼きたてのたい焼きも販売している。
そんな店を訪れた人々の心を、美味しいたい焼きと所狭しと並べられたこだわりの品々が癒やしていく。
ハンドメイドの一点物アクセサリー、親子をつなぐつげ櫛、季節外れのスノードーム、店頭に飾られた鯛の木型……。
雑貨が人と人を、そして思い出をも、つなぎ癒やしていく、心温まる再生の物語!
銀座の片隅に佇む店を舞台に、長月天音氏が描くのは、モノと人が交差する場所で生まれる「魂の救済」です。本作の真髄は、単なる懐古趣味ではなく、手仕事の雑貨や焼きたてのたい焼きを通じて、忘れかけていた愛や記憶を現在進行形の輝きへと昇華させる筆致にあります。一つひとつの品物に宿る物語が、読み手の凍えた心を優しく、かつ情熱的に解きほぐしていくのです。 尾っぽにまで想いが詰まったたい焼きのように、本作には細部に至るまで著者の慈愛が満ちています。効率ばかりが優先される現代において、手間暇をかけたモノが持つ「繋ぐ力」を再発見させてくれる本作は、まさに人生の再生を願うすべての人に贈られるべき文学的処方箋と言えるでしょう。一ページめくるごとに、あなたの心にも温かな光が灯るはずです。