あらすじ
江戸川 乱歩 著 A5判 384ページ 価格3,500円+税 ISBN978-4-86251-494-3 シリーズ第7巻「陰獣」は表題作のほか、「双生児」「赤い部屋」の3篇を収載。「陰獣」は江戸川乱歩(本名は平井太郎)自身がモデルである。探偵小説作家である「私」は、愛読者である美貌の人妻、小山田静子から奇妙な相談を受ける。かつて、静子が捨てた男、謎の探偵作家・大江春泥こと平田一郎に脅迫されているという。春泥の謎を追う内に思いもよらない真相に辿り着く。乱歩の代表作といえる本格推理長編の傑作。 また、兄と皺の寄り方も寸分違わない双生児として宿命を授かった弟が考えに考え抜いた完全犯罪「双生児」。秘密クラブ「赤い部屋」には、今夜も異常な興奮を求める七人の男が集まっていた。一人の男が自身の殺人経験を語っていく…。 目次 陰獣 双生児 赤い部屋 著者プロフィール 江戸川 乱歩(エドガワ ランポ) 1894(明治27)―1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。 大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。 あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。 主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。
映画・ドラマ版との違い・考察
江戸川乱歩の『陰獣』は、虚実が入り混じる迷宮のような傑作です。作者自身の投影ともいえる語り手が、読者をエロティシズムと恐怖が同居する異常心理の世界へと誘います。本作の本質は、単なる謎解きではなく「覗き見」という人間の根源的な業を描き出した点にあり、乱歩が提唱した変格探偵小説の真髄が凝縮されています。 映像化作品では絢爛豪華な色彩と猟奇的な美学が強調されますが、文字で追う体験こそが、読者の脳内に実体なき恐怖を最も生々しく構築します。映像が提示する答えを超え、テキストの余白から滲み出す底知れぬ悪意。視覚と活字の両面からこの闇に触れることで、乱歩が仕掛けた多層的な罠の全貌が鮮やかに浮かび上がるはずです。



































































