あらすじ
ISBN: 9784575512069ASIN: 4575512060
鬼畜...鬼と畜生。転じて残酷な行いをする者。―印刷所を営む男の愛人が、3人の子供を残して姿を消した。妻に子供を始末するように言われ、次第に追い詰められていく男の姿をリアルに描く犯罪小説「鬼畜」、ある体験が新しい犯罪を生む過程を精妙に描いた心理サスペンス「潜在光景」など、映画化・傑作ミステリー作品集の第2弾。
松本清張が描く「鬼畜」の真髄は、追い詰められた凡庸な人間が、日常の亀裂から魔道へと堕ちていく凄絶な心理描写にあります。貧困や業といった逃れられぬ現実を前に、本来守るべき対象へ牙を向く人間の脆さと身勝手さ。その筆致は冷徹でありながら、読者の倫理観を激しく揺さぶる文学的熱量に満ちています。 映画版が放つ泥臭いリアリズムに対し、原作は読者の想像力を媒介に、文字の間から静かな狂気を滲ませます。映像が捉える衝撃的な場面と、小説が穿つ内面の闇。両者を往復することで、私たちは誰もが抱えうる「鬼」の本性を突きつけられるのです。この圧倒的な没入感こそ、不朽の名作が持つ唯一無二の魅力といえるでしょう。

実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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