“人間の宿命を追って胸せまる感動!”
ある日、国鉄蒲田操車場構内で扼殺死体が発見された。被害者の身許が分らず、捜査は難航した。が、事件を担当した今西、吉村の両刑事の執念の捜査がやがて、ひとりの著名な音楽家・和賀英良を浮かび上がらせる…。
野村芳太郎監督が描いた本作の神髄は、捜査が進む現実と、壮大な組曲「宿命」が鳴り響く過去が交錯する圧倒的なカタルシスにあります。単なる事件解決の物語ではなく、人の抗えない運命と血の絆を、日本の四季折々の情景と共に美しくも残酷に描き切った、視覚と聴覚の芸術です。 社会派ミステリーとしての側面が強い松本清張の原作に対し、映画版は父子の旅路を情緒豊かに描くことで、純粋な人間悲劇へと昇華させました。丹波哲郎の執念と加藤剛の静かな狂気が、映像でしか成し得ないエモーショナルな熱量を生み出しています。宿命を背負う者たちの絶叫が、鑑賞後も魂を震わせ続ける不朽の傑作です。
監督: 野村芳太郎
脚本: 松本清張 / 橋本忍 / 山田洋次
音楽: 菅野光亮
制作: 橋本忍 / 三嶋与四治 / 佐藤正之
撮影監督: 川又昂
制作会社: Shochiku