あらすじ
ISBN: 9784490209990ASIN: 4490209991
デビューから半世紀が過ぎた今、改めてこれまでの歩みを振り返り、作家という職業への思い、ずっと変わらず持ち続ける信念を語る。また自ら選ぶ代表作と、それぞれのジャンルへのこだわりも紹介。「作家・五木寛之」の集大成。
第一部ーーモノローグ
1 作家のおしごとについて
2 ぼくの目指してきたもの
3 長く続ける中で考えてきたこと
第二部ーー 実践編
1 対談について
2 あそび(ギャンブル)について
3 歌・作詞について
4 解説について
5 インタビュー・写真について
6 コラム(雑文)・連載・思い出の記について
7 「あとがき」について
8 講演について
9 ロシア文学について
10 紀行について

日本の文芸界が生んだ孤高の物語作家であり、時代を穿つ鋭い洞察力で映像世界の地平を広げ続けるマエストロ、それが五木寛之です。彼は単なる劇作家の枠を超え、人間の内面に潜む光と影を言葉という血肉で描き出してきました。1990年代末の混沌とした東京を舞台に、警察と裏社会の攻防を鮮烈に描いた傑作テレビシリーズ、トウキョウ・バイスで見せたその手腕は、日本国内に留まらず、ハリウッドを筆頭とする国際的なプロダクションからも極めて高い評価を得ています。彼のキャリアを俯瞰すると、重厚な社会派ドラマから、胸を打つロマンス、そして人間賛歌としてのコメディに至るまで、驚くほど広範なジャンルを網羅していることが分かります。その根底に流れているのは、過酷な現実の中でなおも輝きを失わない人間の尊厳への深い情愛です。膨大な作品群を通じて磨き上げられた叙情的な表現と、観客の心を鷲掴みにするドラマチックな構成力は、現代のストーリーテリングにおける一つの到達点と言えるでしょう。キャリア統計が示すその一貫した質の高さと、ジャンルを自在に横断する多才さは、彼が単なる多作なライターではなく、物語の力で時代を定義する稀有な表現者であることを証明しています。五木が紡ぐ言葉は、これからも国境や世代を越え、観る者の魂に消えない灯をともし続けるに違いありません。