あらすじ
ISBN: 9784396338190ASIN: 4396338198
一二〇〇年の昔、空海は何を秘したのか?封印がまさに解かれようとする今、東北では腐鬼の末裔三家が対立を激化させ、「鬼道の鍵」を握る美女鬼奈村典子の行方も謎のままであった。一方、箱根山中では四殺の一つ“飛狗”によって誕生した「超犬」が、殺戮の嵐を呼んでいたー迫り来る九門と毒島、美空らと、黒御所の激突。待つのは破局か、虚無か!驚異の超伝奇小説。
夢枕獏が放つ本巻は、空海の秘儀という歴史の闇と、現代の暴力が交錯する超伝奇の極致です。理性を凌駕する野生の咆哮と、緻密な密教的神秘が融合した筆致は圧巻。狂龍の名に相応しい荒々しい文体は、読む者の生存本能を根底から揺さぶります。 九門らが対峙するのは、単なる敵を超えた宇宙的な虚無そのものです。超犬という異形が象徴する「生物的脅威」と、典子が纏う「耽美な抒情性」の対比が実に見事。凄惨な暴力の果てに立ち昇るこの圧倒的な熱量こそ、夢枕文学が到達した生命の輝きです。
