ふじひと
おじいちゃん猫との暮らしを描いた大人気作『じじ猫くらし』からつづく、猫との暮らしの機微を描いた心温まるフルカラーコミックエッセイ。新たに保護猫としてお迎えした「さび猫」と徐々に心が通っていくまで、そして先代猫との日々を思い起こす瞬間など、長編4作品を含む描き下ろしは充実の47Pを収録。巻末には『じじ猫くらし』特別編も収録しています。猫と暮らすなんてことないささいな幸せをかみしめられる一冊です。
ふじひと氏が描く世界は、単なる「可愛い猫との日常」に留まりません。本作の真髄は、先代との別れという喪失を抱えつつ、新しく迎えた保護猫との不器用な距離が縮まる瞬間に宿る、静謐な感情の揺らぎにあります。言葉を介さないからこそ際立つ、眼差しや仕草に込められた鋭い観察眼は、読者の胸を打つ文学的な深みを湛えています。 過ぎ去った日々への哀愁と未来への希望を織りなすその筆致は、失う痛みを知る者が再び心を開く尊さを鮮やかに描き出します。本書は猫という鏡を通じて、命の温もりを再確認させてくれる慈愛に満ちた傑作です。ページをめくるたび、あなたの心にも優しい光が灯るに違いありません。