あらすじ
ISBN: 9784167917401ASIN: 4167917408
美しく驕慢な女に無条件でひれふす男達の姿は宗教的法悦境にあるかのよう。絢爛な文体と鮮やかな風俗描写、小説の神髄に酔いしれる。
谷崎潤一郎が描くのは、美という暴力に屈服し、自己を滅却することで得られる倒錯した救済の物語です。刺青や春琴抄に漂う崇拝の構図は、単なる色欲を超え、美の神殿へ身を捧げる宗教的な法悦へと昇華されています。絢爛な文体は読者の皮膚感覚を直接刺激し、耽美の極致へと誘う魔力に満ちています。 映像版が放つ圧倒的な様式美に対し、原作は文字特有の静謐な狂気を湛えています。映像の具体的な表現と、言葉が脳内に喚起する妄想的な深みが共鳴し合うとき、谷崎美学は真に多層的な輝きを放ちます。この紙上の迷宮を彷徨うとき、あなたの魂は至高の快楽に震えるはずです。

谷崎 潤一郎 は、日本の小説家。明治末期から昭和中期まで、戦中・戦後の一時期を除き終生旺盛な執筆活動を続け、国内外でその作品の芸術性が高い評価を得た。日本芸術院会員、文化功労者、文化勲章受章者。ノーベル文学賞候補者。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。