あらすじ
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谷崎潤一郎の晩年の傑作である本作は、老いという残酷な現実を、凄まじいまでの官能と執念で芸術へと昇華させた一冊です。死の影が忍び寄る肉体の衰えを冷徹に見つめつつ、息子の嫁の足に溺れる老人の姿は、滑稽でありながら峻烈な生への叫びとして響きます。 日記形式がもたらすのは、医学的な客観性と狂気的な情念が交錯する比類なき緊張感です。醜悪な老いと崇高な美が一体となり、読者を禁断の悦楽へ誘う筆致はまさに真骨頂。死の床にあっても美に跪こうとする人間の業の深さに、畏怖にも似た感動を覚えずにはいられません。

谷崎 潤一郎 は、日本の小説家。明治末期から昭和中期まで、戦中・戦後の一時期を除き終生旺盛な執筆活動を続け、国内外でその作品の芸術性が高い評価を得た。日本芸術院会員、文化功労者、文化勲章受章者。ノーベル文学賞候補者。