あらすじ
旅人にはわからない京都の奥深さが見えてくるー神社仏閣、美食、歴史など知られざる情報満載。
生粋の京都人の著者ならではの視点で、街のいたるところに静かに眠る歴史や神社仏閣のこれまでにない姿を紹介する。散歩の道草で出会った美食の数々は、この街の食のバリエーションの豊かさを教えてくれる。鴨川のせせらぎを聞きながら眠り、寺の窓を愛で、庭を巡る。タマゴランチに舌鼓を打ち、町家の割烹で夕餉を迎える。ひとりでゆったりまわっても、家族や友人と散策しても役立つ、京都巡り48の教え。読むだけでも旅気分がたっぷり味わえる。
第1章 京都の知られざる顔に出会う
1京都歩きの法則を学ぶ
2京都の市バスを使いこなす
3洛北花脊『美山荘』に泊まる
4洛陽十二支妙見を回る
5「六曜社珈琲店」で珈琲とドーナツを味わう
6『幸神社』で神猿と出会う
7「河井寛次郎記念館」で民藝の心に触れる
8『将軍塚青龍殿』の舞台から京の街を見下ろす
9『護王神社』で〈四神相応〉を知る
10『くらま温泉』で見も心も癒す
11『賀茂川』を歩いて健康になる
12『三福』で鴨川のせせらぎを枕に床に就く
13哲学の道を散策して心と身体を健やかにする
14『京都府立植物園』で四季の樹々や草花を愛でる
第2章 京都の美味を堪能する
15京都のうどんは出汁が大切である
16京都の小粋な割烹を探す
17極上の割烹を満喫する
18京ならではの料亭に足を踏み入れる
19老舗料亭で日本文化を探訪する
20京都のお弁当を携えて出かける
21京都の豆腐は水が違う
22『野呂本店』で京漬物を買う
23京都の和菓子はバリエーションで華やぐ
第3章 京都の多様な食文化を巡る
24京の洋食新時代を感じる
25京の洋食、名物料理を発見する
26京都人の牛肉好きに倣う
27「京都人の傍らにはいつも牛肉」を体験する
28京都の寿司のみならず江戸前も人気
29バラエティ豊かな京都のタマゴランチ
30京都らしい多様なカレーが盛りだくさん
31京都はラーメンより中華そば
32さまざまに展開する京都の餃子
33京都の居酒屋でまったりする
第4章 京都の奥深い歴史を学ぶ
34『御土居』の謎を探る
35『伏見稲荷大社』の千本鳥居を本気でくぐる
36『千本釈迦堂』で古色に酔う
37鷹峯『常照寺』で吉野太夫の悲恋を想う
38お寺の窓は隠れた見どころ
39『東寺』のお奨めは三つの小さなお堂
40西加茂界隈を逍遥する
41小野篁ゆかりの「この世とあの世」の境
42洛陽天満宮二十五社を巡拝する
43洛北大原で平家の悲哀を思う
44嵐電を乗りこなす
45『京都御苑』を歩く
46御霊鎮めの神社を拝む
47京都の庭園で哲学する
48東と西 ふたつの本願寺
作品考察・見どころ
柏井壽氏の筆致は、単なる観光案内を超え、京都という街の深層に流れる「美意識」を鮮やかに解体します。生粋の京都人だけが知る、静寂の中に潜む歴史の余韻や、散歩の途上で不意に出会う食の愉悦。それらを綴る著者の言葉は、悠久の時を刻む寺社の瓦や鴨川のせせらぎと共鳴し、読者を日常から切り離された幻想的な旅へと誘います。 本書の白眉は、孤独を「贅沢」へと昇華させるその視点にあります。他者に阿ねることなく、独りで街と対峙することで初めて見えてくる「ひみつ」の情景。それは都市の魂に触れる極めて文学的な体験です。四十八の断章を通じて語られるのは、単なる情報の羅列ではなく、自分自身の五感を研ぎ澄まし、人生を豊かに彩るための高潔な作法に他なりません。