あらすじ
「鴨川食堂」著者が贈る新シリーズ!
京都にまつわる不思議な体験、してみませんか。
英国人ミステリー作家のカール・エビスは、京都にある名門・京洛大学に招かれ、教鞭を執っている。次回作執筆の参考にと、講義がない日には助手の九条葵と京都の街を練り歩き、日々創作の種を捜している。
まだ京都へ来てから日が浅いカールを驚かすのは、京都ならではの不可思議な出来事だ。時間や空間の概念などないかのように、安土桃山時代の逸話〈宗旦狐〉の母狐が化けた女性の姿を見かけたり、〈六道の辻〉の案内人である年齢不詳の老婆と出会ったり。京都人らしい、気遣いができるも小言を言わねば気が済まない性格の葵に振り回されながら、行く先々で、カールは科学で解明できない出来事に遭遇する。
【編集担当からのおすすめ情報】
連続ドラマ化もされたベストセラー
「鴨川食堂」の著者・柏井壽が贈る、新シリーズ!
『鴨川食堂まんぷく』と二冊同時刊行!
ISBN: 9784094066760ASIN: 4094066764
作品考察・見どころ
柏井壽氏が描く京都は、生者と死者、過去と現在が渾然一体となった魅惑の「異界」です。本作の真髄は、英国人作家カールの合理的な視点と、路地裏に潜む非科学的な怪異が衝突し、融和していく美しさにあります。科学では割り切れない「あやかし」を情緒豊かに描き出すことで、読者は京都という街が持つ深淵な精神構造の虜になるはずです。 助手の葵との軽妙な対話が物語に彩りを添える一方、語られる伝承は重厚な歴史の重みを湛えています。時空を超えて現れる不思議な存在は、いわば忘れ去られた土地の記憶。日常の裏側に潜む神秘を鮮やかに切り取った本作は、目に見えるものだけが真実ではないと教えてくれる、大人のための極上の文芸ファンタジーです。