あらすじ
ISBN: 9784758445122ASIN: 4758445125
五年間つき合ってきた彼にふられた雑誌編集者のみのり。
イタリアンレストランの若きオーナーシェフである元彼を見返すため、自らも飲食店を開店し人気店にしてみせると心に誓う。
そのために彼女は、夫を亡くし実家に引きこもっている姉ゆたかに一緒に店をやろうと誘う。姉も亡くなった義兄もシェフだったからだ。
そして姉妹は神楽坂の路地の奥の奥にあった木造家屋にスパイス料理専門店を開店させる。心に栄養が染み渡る料理小説!
長月天音氏が描く本作は、単なる料理小説を超え、喪失から再生へ向かう魂の軌跡をスパイスの薫りとともに描き出しています。失恋と死別という異なる痛みを抱えた姉妹が、神楽坂の路地裏で再起を懸ける姿は、読者の心に心地よい刺激と潤いを与えてくれます。 特筆すべきは、スパイスを「人生の苦味を風味に変える魔法」と捉える文学的な視点です。鮮烈な調理描写は、食が自己を癒やし他者と繋がるための聖なる儀式であることを教えてくれます。不器用な二人が欠落を埋め合い、新たな人生を調合していく過程は、明日を生きるための力強い希望を灯してくれるはずです。