あらすじ
ISBN: 9784758444026ASIN: 4758444021
大学四年時に両親を事故で亡くした霜鳥夕子は、都内で飲食店を経営する会社・オオルリ亭に就職した。
旅館を営む両親に育てられた彼女は、お客様のため懸命に働いた父母のように生きたいと願ったのだ。
念願の渋谷店に配属された夕子を待っていたのは憧れの支配人と厳しいながらも愛情深い先輩たち。
慣れない仕事に悪戦苦闘する彼女が見ていく光景とは……。
「ほどなく、お別れです」の著者が、夢に進むすべての人に温かいエールを送る、もうひとつの感動作。
本作の神髄は、喪失の淵から「働くこと」を媒介に自己を再定義していく、力強い再生のドラマにあります。亡き両親が守ったもてなしの精神を都会の飲食店で継承しようと模索する姿は、労働が単なる生計の手段ではなく、誰かの人生を照らす祈りにも似た尊い営みであることを教えてくれます。 著者の長月天音氏が描く、厳しくも温情に満ちたプロの世界は、読む者の胸に熱いエールとして響きます。迷いながらも「誰かのために」と背筋を伸ばす主人公の眼差しは、現代を生きる私たちの希望となるでしょう。一文字一文字に込められた優しさが、明日へ向かう純粋な勇気を呼び覚ましてくれる珠玉の一冊です。