あらすじ
ISBN: 9784334767969ASIN: 4334767966
高校の写真部に在籍する四人の少女、ミラ、カオリ、秋穂、シズ。それぞれの目線=ファインダーで世界を覗く彼女たちには、心の奥に隠した悩みや葛藤があった。相手のファインダーから自分はどう見えるの?写真には本当の姿が写るの?-繊細な思いに惑う彼女たちの前に、写真に纏わる四つの謎が現れる。謎を解くことで成長する少女たちの青春を、瑞々しく描く。
相沢沙呼という作家は、常に「視線の在り方」を鋭く問うてきました。少女たちが覗くファインダーは、世界との距離を測る心の境界線として機能しています。可視化された記録としての写真と、決して写ることのない内面の揺らぎ。その鮮烈な対比こそが、読者の魂を揺さぶる本作の文学的な白眉といえるでしょう。 瑞々しい文体で綴られるのは、他者にどう見られるかという怯えと、それでも理解されたいと願う切実な祈りです。ミステリの意匠を借りて解き明かされるのは、彼女たちが自身の殻を打ち破るための確かな理由。読了後、あなたの目に映る日常の景色さえも、かつてない色彩を帯びて輝き出すはずです。