あらすじ
「わたしは欠陥品なのかもしれない。自分が大人になれるって、無条件で思い込めるみんなが、羨ましい」(本文より)
中学校の「図書室」を舞台に、クラスへの違和感や未来の不安、同級生に対する劣等感など、思春期の心模様を繊細に描き出す全六編の連作短編集。
【著者略歴】
相沢沙呼(あいざわ・さこ)
1983年、埼玉県生まれ。09年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。11年3月「原始人ランナウェイ」が第64回日本推理作家協会賞(短編部門)候補作となる。18年『マツリカ・マトリョシカ』が第18回本格ミステリ大賞の候補に。19年『medium 霊媒探偵城塚翡翠』が国内ミステリランキングを席巻し、大ヒット。その他の著作に『雨の降る日は学校に行かない』『小説の神様』など。
ISBN: 9784087716948ASIN: 4087716945
作品考察・見どころ
教室という閉塞的な社会で孤独を抱える少年少女たち。本作の真髄は、図書室という聖域が放つ救済の力にあります。相沢沙呼は、背表紙から始まる対話を通じて、読者に「居場所」を再定義させるのです。ままならない現実に抗うのではなく、物語を盾に自分を守る術を教える慈愛に満ちた眼差しに心打たれます。 瑞々しく鋭い文体は、思春期の揺らぎを解剖し、隠された孤独に光を当てます。本との出会いが他者の痛みに触れさせ、自分を許す鍵となる過程はまさに文学の真骨頂。一冊の背表紙が人生を変える瞬間の煌めきを体感してください。あなたの内側にある、忘れていた純粋な希望が再び脈打ち始めるはずです。


