機龍警察自爆条項下
あらすじ
ISBN: 9784150310769ASIN: 4150310769
ライザ・ラードナー、警視庁特捜部付警部。そして元テロリスト。自らの犯した罪ゆえに彼女は永遠の裏切り者となった。イギリス高官暗殺と同時に彼女の処刑を狙うIRFには“第三の目的”があるという。特捜部の必死の捜査も虚しく国家を越える憎悪の闇が遂に見せる最後の顔。自縄自縛の運命の罠にライザはあえてその身を投じる。過去と現在の怨念が東京迷宮で狂おしく交錯する“至近未来”警察小説、慟哭と死闘の第二弾。
月村了衛が描く本作の神髄は、重厚な政治群像劇と極限の人間心理が火花を散らす「魂の相克」にあります。単なる警察小説の枠を超え、国家の論理に翻弄される個人の尊厳を、硬質かつ叙情的な筆致で抉り出しています。緻密な考証に基づいたリアリティが、読者を逃げ場のない戦慄と興奮へと誘うのです。 特に主人公ライザが背負う「裏切り者」としての宿命は、赦しと再生を巡る普遍的な悲劇として深く胸を打ちます。過去の罪に自らを縛り付ける彼女の慟哭は、鋼鉄の機体を超えて血の通った痛みとして伝わります。怨念が渦巻く東京を舞台に、絶望の果てで彼女が掴み取る矜持の輝きを、ぜひその目で見届けてください。