あらすじ
ISBN: 9784120059599ASIN: 4120059596
取り返しがつかない。何もかも。北朝鮮に来たときからーー。
在日朝鮮人帰還事業。1959年に始まったそれは、人類史上最悪の「大量殺戮」への序章だった。
大阪に暮らす二人の若者、孔仁学と玄勇太が経験する「地獄」を通して、日本人の差別感情と、政府・マスコミらが犯した大罪に迫る。
エンターテインメント小説界を牽引する著者が、戦後最大のタブー「外国人問題」に切り込んだ、今最も読まれるべき社会派巨編。
月村了衛が挑んだ本作は、戦後日本が抱える巨大な空隙を抉り出す衝撃の巨編です。著者の真骨頂である緊張感はそのままに、甘美なプロパガンダの裏側に潜む地獄を圧倒的な筆力で描いています。これは単なる悲劇の記録ではなく、国家やメディアの加害性と、日本人の無意識な差別が招いた人災への峻烈な糾弾です。 二人の若者が味わう絶望は、読者の心に消えない傷跡を残します。一度踏み出せば戻れない極限状態で、人間の尊厳がいかに損なわれ、どう抗うのか。歴史の闇に葬られかけた声を拾い上げ、現代に突きつける著者の凄まじい熱量は、ページを捲る手が震えるほどの慟哭と真実を我々に突きつけます。