機龍警察狼眼殺手
あらすじ
ISBN: 9784152097095ASIN: 4152097094
経産省とフォン・コーポレーションが進める日中合同プロジェクト『クイアコン』に絡む一大疑獄。特捜部は捜査一課、二課と合同で捜査に着手するが何者かによって関係者が次々と殺害されていく。謎の暗殺者に翻弄される警察庁。だが事態はさらに別の様相を呈し始める。追いつめられた沖津特捜部長の下した決断とは―生々しいまでに今という時代を反映する究極の警察小説シリーズ、激闘と悲哀の第5弾。
月村了衛が描く本作は、SFという外装を借りつつ、現代日本の政治的闇を鮮烈に抉り出す極上の警察小説です。巨大疑獄を巡る国家の権益と、現場に生きる個人の矜持が激突する凄絶な展開はまさに圧巻。緻密な設定が生む圧倒的なリアリズムと、冷徹な筆致によって紡がれる人間模様が、読者をかつてない緊張感の渦へと引き込みます。 組織の論理を背負う沖津特捜部長の苦渋の決断は、正義の在り方を根底から問う本作最大の文学的見所です。謎の暗殺者に翻弄される警察機構の機能不全と、その裏に潜む巨大な悪の影。激闘の果てに立ち上がる深い悲哀とカタルシスは、単なる娯楽を超えた重厚な読書体験を約束してくれるでしょう。