あらすじ
ドラマ化もされた大人気シリーズ第8弾!
京都にある、しもた屋。そこは「思い出の味」を求めて訪れる人々に料理を振る舞う食堂だった。
料理人である鴨川流と娘のこいしが、思い悩む依頼人にそっと寄り添い、あたたかい料理で迎えます。
第一話 鰻丼……息子に先立たれた父
第二話 いなり寿司……待ち人は来ず
第三話 ピザ……生涯貫いた嘘
第四話 焼きうどん……山メシ、谷メシ
第五話 タマゴサンド……まわり道して今がある
第六話 豆腐飯……愛情に包まれた原点
流とこいしによる、おいしさも温もりもいっぱい詰まった料理をたんと召し上がれ!
【編集担当からのおすすめ情報】
“思い出の味、探します"
連続ドラマ化され大好評を博した「鴨川食堂」シリーズ最新作!
コロナ禍で気軽に外食できない今だからこそ、「思い出の味」がより必要とされるのかもしれません。とっておきのごちそうで、心もお腹も満たされます。
ISBN: 9784094070309ASIN: 4094070303
映画・ドラマ版との違い・考察
本作の核は、失われた記憶を食で再構築する心の救済にあります。柏井壽氏の端正な筆致は、出汁の芳香や湯気の温度までを五感に訴えかけ、読者の内面にある後悔や郷愁を優しく溶かしていきます。単なるグルメ小説の枠を超え、食事という日常の営みが、人生の分岐点や絆を象徴する文学的なメタファーとして機能している点が最大の魅力です。 ドラマ版では京都の情感豊かな風景や料理が視覚的に補完されましたが、原作にはテキストならではの内省的な深みが宿っています。依頼人の微細な心の揺れを文字で追う体験は、映像以上に深い共鳴を呼び起こすでしょう。行間に漂う香りを想像力で補うことで、自分自身の思い出さえも浄化されるような、至高の読書体験が約束されています。