藤田宜永
数十年ぶりに再会した幼馴染み三人組―定年退職した昌二、現役の探偵・三郎、そして陰のある誠一郎が還暦を迎えて探し求めたものとは?友情?冒険?最後の恋?直木賞作家のノスタルジック・ミステリー。
藤田宜永が描く本作の真髄は、老境に差し掛かった男たちの心の軋みと、消えない青い情熱の対比にあります。直木賞作家らしい端正な筆致で綴られるのは、単なる郷愁ではなく、過去の影を背負いながら「今」を燃焼させようとする大人の切実な生。ミステリーの枠を借りつつ、人生の黄昏時に訪れる最後の輝きを優雅に、かつ冷徹に抉り出した傑作です。 映像化作品では名優たちの佇まいによって友情の機微が具現化されましたが、原作本には沈黙の行間に漂う孤独や、言葉にできない悔恨の念が深く刻まれています。活字でしか味わえない重厚な心理描写と、映像版が補完した躍動的な叙情性。両者に触れることで、夢と現実が交錯する物語の奥行きは一層深まり、読者の胸に忘れがたい余韻を残すことでしょう。
藤田 宜永 は、日本の小説家。別名義に入江 香。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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