フェリー乗り場の切符売り場で働く津木野ユリ。彼女は仕事中はもちろん、人前に出る時は絶対に眼帯を外さない。毎日粛々と勤務をこなし、友達付き合いもないユリは古い一軒屋に一人で暮らしていた。そんな彼女の前に薄汚れた格好で右足をひきずる男・クォンが現れた。何者かに追われながら、どうしても神無島に渡りたいというクォンはユリをナイフで脅すのだった。こうしてユリとクォンの束の間の奇妙な共同生活が始まった。互いの心の秘密を語り合い急速に距離が近付いていく二人だったが、そんな穏やかな時間の終わりはもうすぐそこまできていた...。不思議な力をもつユリ。彼女には視力とひきかえに時間を戻す能力があった。愛のために「世界の終わり」を変える、せつない物語。