“ぜんぶ、ちょうだい。”
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中田秀夫監督が放つ本作の真髄は、虚構と現実が交錯する劇場という密室を舞台に、美への執着と人間の業を鮮烈に描き出した点にあります。無機質な人形が放つ異様な存在感と、冷徹なまでの静寂が観客の深層心理をじわじわと侵食し、逃げ場のない根源的な恐怖を増幅させていく演出は圧巻の一言です。 主演の島崎遥香が見せる、透明感の中に潜む脆さと覚悟は、華やかな舞台の裏側に渦巻く嫉妬や焦燥を見事に体現しています。単なるパニックホラーに留まらず、何者かになりたいと願う表現者たちの狂気が、静止しているはずの物体に命を吹き込んでしまうという、皮肉で残酷なメッセージが胸に深く突き刺さる一作です。
監督: 中田秀夫
脚本: 加藤淳也 / 三宅隆太 / 中田秀夫
音楽: 川井憲次
制作: 田中正 / 佐藤直樹 / 阿比留一彦
制作会社: Nikkatsu Corporation / Shochiku / Kyoraku Industrial Holdings / Django Film / dentsu / Happinet