あらすじ
女流陶芸家・乾登紀子とその住み込みの弟子となった結城はるか。はるかは登紀子を一途に慕い、師匠と弟子という関係を超えて、特別な愛情を抱いていた。ところが登紀子は男遊びが激しく、毎日のように男をアトリエ兼自宅に連れ込んでいた。しかし男では満足できず、男が帰った後、必ずはるかの体を求めてくるのだった。そんな登紀子のワガママにも、彼女と体を重ねることに悦びを感じてしまうはるか。そんなある日、登紀子が有名な陶芸家の息子・悟を新たな弟子として迎え入れたことで、はるかと登紀子の関係は大きく狂い始めるのだったが…
作品考察・見どころ
巨匠・中田秀夫監督が「純愛」という名の執着を、ホラー映画にも通ずる緊迫感で描き切った本作。最大の見どころは、百合の花が象徴する「無垢」と、その裏に潜む「狂気」の対比です。静謐ながらも息苦しいほどの映像美が、歪んだ愛の形を鮮烈に浮かび上がらせ、観る者の倫理観を静かに揺さぶります。
飛鳥凛が見せる、脆さと危うさを孕んだ迫真の演技は圧巻の一言。師弟関係を超越した、共依存という名の迷宮に堕ちていく女性たちの魂の震えが、凄まじい熱量で伝わってきます。単なる官能の枠に収まらない、誰かを独占したいという剥き出しの欲望の純粋さに、あなたはきっと戦慄し、同時に魅了されるはずです。