声優という生き方
あらすじ
ISBN: 9784781680583ASIN: 4781680585
新劇の俳優が洋画の吹き替えを担当することからはじまったとされる声優ブーム。それから約半世紀、若者の人気「職業」にまでなった声優。業界のかたちが整い、より大きくなったものの、華やかさの陰には厳しい現実も待ち受けています。「うまくやろうとするな」「売れるのが唯一の価値観か」など、成功法則のない業界だからこそ必要なスキルと心構えを、「ばいきんまん」「フリーザ」でおなじみのレジェンドが語り尽くします!

一度耳にすれば決して忘れることのできない、甘美な毒を含んだ高音の調べ。中尾隆聖は、日本のアニメーション界において「絶対的な悪」に深遠な人間性と抗いがたい魅力を吹き込む、唯一無二の表現者です。本名・竹尾智晴として東京都日本橋に生を受けた彼は、幼少期から子役として芸の道を歩み、俳優、歌手、演出家、そして教育者としてその才を磨き上げてきました。81プロデュースに所属し、長年にわたり業界の第一線を走り続けるその足跡は、単なる声の出演に留まらず、舞台演劇の振興や後進の育成に至るまで多岐にわたります。キャリアを通じて積み上げた181本に及ぶ出演作は、平均評価星7.1という驚異的な安定感を誇り、とりわけファミリー層向けの作品から深淵なSF・ファンタジーの世界まで、ジャンルの垣根を超えて観る者を魅了し続けています。中尾の真骨頂は、冷酷かつ残忍、あるいは歪んだ狂気を孕んだキャラクターを、どこか品格漂うユーモアと共に演じ切るその卓越した技術にあります。統計が示す通り、彼が関わる作品が常に高い支持を得る理由は、記号的な悪役を超えた、生々しい生命力をキャラクターに宿らせる圧倒的な演技力に他なりません。表現の可能性を拡張し続けるその姿勢は、日本のエンターテインメント史における至宝と言えるでしょう。