あらすじ
群雄割拠する乱世に黄泉の国から甦った美貌の魔剣士・紫靡帝。奥州の覇者・冴月家再興のため、そして前世からの宿命の女性・百合姫を追い甲斐へ向かった。だが、謎のからくり師・蘭剣が大魔王・織田信長と謀った戦慄の罠が待ち受けていた!「紫靡帝を抹殺せよ―」不死の命を報酬として保証された武田信玄が動いたのだ。百合姫との再会はなるのか?猿飛佐助、霧隠才蔵が暗躍するなか、武田の客人となった紫靡帝の運命は!?風雲急を告げる戦国ロマン傑作第三弾。
ISBN: 9784396207762ASIN: 439620776X
作品考察・見どころ
菊地秀行氏が描くこの物語の本質は、美しき死者が血風吹き荒れる戦国を蹂躙する、退廃的なエステティシズムにあります。主人公・紫靡帝は単なる不死の剣客ではなく、生と死、あるいは美と醜の境界を無に帰す文学的装置です。武田信玄ら歴史上の英傑たちが、彼の超越的な美に翻弄され、自らの内に潜む野望や業を剥き出しにする様こそが、本作の真骨頂といえるでしょう。 緻密なからくりや忍法帖的要素が交錯する世界で、前世からの宿命に縛られた百合姫への情愛が、凄惨な戦場に一筋の抒情性をもたらします。凄絶なバイオレンス描写の深層に、永遠を求めて彷徨う孤独な魂の叫びが響き渡るのです。歴史の闇に妖しく咲く、この残酷で甘美な幻想活劇をぜひ五感で味わってください。







