あらすじ
ISBN: 9784198949822ASIN: 4198949824
十津川警部&亀井刑事、東京を駆ける! 病院経営に潜む黒い罠。警視庁捜査一課・十津川班の刑事たちの活躍を描く傑作推理集
十津川警部の妻・直子が尿管結石で病院に運ばれた。
痛みがなくなると、持ち前の好奇心が頭をもたげた直子は、病院の中を探検することにした。
立入禁止の札がかかったガラスドアの向こうに、500と書かれた病室を見つけるが、案内図には載っておらず、入院患者や看護婦に聞いても答えはさまざま。
どうやら院長が使っている部屋らしいのだが。再度500号室を訪ねた直子の耳に、部屋の中からけもののような唸り声が聞こえ…。
「特別室の秘密」他、警視庁捜査一課・十津川班の刑事たちの活躍を描く傑作推理集。
西村京太郎氏が得意とするトラベル・ミステリーの枠を越え、本作は巨大都市・東京の「闇」を医療機関という密室に凝縮して描き出しています。物語の核は、十津川直子の日常的な好奇心から暴かれる権威の腐敗です。卓越した心理描写が、都会の孤独と裏切りを鮮烈に浮き彫りにする点こそが、本書の文学的な真髄と言えるでしょう。 映像化作品では十津川班の組織的な活躍が際立ちますが、原作の真価はテキストならではの「予感」の表現にあります。閉鎖病棟の静寂から響く呻き声が読者の想像力を刺激し、映像が提示する答え合わせ以上の恐怖と臨場感をもたらします。メディアを跨いで味わうことで、都会の迷宮性がより立体的に浮かび上がるはずです。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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