一穂ミチ
古びた団地の片隅で出会った結珠と果遠。同じ孤独を抱え、強く惹かれ合うふたりの20年の物語。本屋大賞3位、島清恋愛文学賞受賞。
一穂ミチ氏が描くのは、魂の深層で響き合う究極の連帯です。対照的な境遇の二人が二十年の歳月をかけ、互いの欠落を埋め合う姿は、友情や愛という既存の言葉を超越しています。階級の壁や家族の歪みという残酷な現実を背負いながらも、運命的に惹かれ合う切実な祈りが、叙情的な筆致で鮮烈に浮かび上がります。 読者の五感を揺さぶる圧倒的な心理描写こそが、本作の真髄です。一瞬の邂逅が一生の執着へと変容するグラデーションは、まるでプリズムのように美しく、鋭利です。孤独の淵で彼女たちが放つ光が、あなたの心の最も柔らかい場所を貫くとき、真の救いとは何かを強く突きつけられるはずです。
一穂ミチ は日本の小説家。BL(ボーイズラブ)小説家。大阪府出身。代表作は『イエスかノーか半分か』『スモールワールズ』。