ツミデミック
あらすじ
ISBN: 9784334101398ASIN: 4334101399
禍にのまれ、もがき、あがいた人たちが見たそれぞれの世界線稀代のストーリーテラーが放つ、鮮烈なる”犯罪”小説集
一穂ミチが描くのは、パンデミックという閉塞感が炙り出した人間の本性です。日常が揺らぎ、善悪の境界が溶け出す危うさを、著者は冷徹かつ慈しみを持って描き出しています。本作の真骨頂は単なる犯罪の記録ではなく、追い詰められた魂が放つ一瞬の輝きや、決断に至るまでの緻密な心理描写にあるのです。 本作に通底するのは、目に見えない災厄と心の奥底に潜む罪の連鎖です。誰もが当事者であったあの季節を背景に、絶望の中でさえ生を渇望する姿が鮮烈な言葉で刻まれています。社会の歪みが個人を蝕む様を鋭く突くこの物語は、読者の倫理観を激しく揺さぶり、深い余韻を残す傑作といえるでしょう。