あらすじ
突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年……警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学。常識を超えた謎に天才科学者が挑む、連作ミステリーのシリーズ第一作。解説・佐野史郎
第一章 燃える もえる
第二章 転写る うつる
第三章 壊死る くさる
第四章 爆ぜる はぜる
第五章 離脱る ぬける
解説・佐野史郎
ISBN: 9784167110079ASIN: 4167110075
作品考察・見どころ
東野圭吾が提示した理系ミステリの金字塔である本作は、怪現象を物理学という冷徹な論理で解明するカタルシスに満ちています。湯川学の魅力は、単なる知識量ではなく、事象をゼロから疑う真摯な科学的態度にあります。人間の業が引き起こす混濁した事件を、数式のように鮮やかに整理していくプロセスは、理知的で崇高な美しさを湛えています。 映像版では湯川の個性が華やかに描かれましたが、原作には活字ならではの静謐な思考の深度があります。草薙刑事との信頼に基づく知的な応酬は、行間から滲む友情によってより深く胸を打ちます。理論という光で未知の闇を照らし出す科学者の矜持と、そこに潜む人間特有の情念との対比を存分に味わえるのは、読者だけの特権と言えるでしょう。




































































