あらすじ
新月高原スキー場でリフトやゴンドラなどの運営を行っている倉田玲司は、結婚するチャンスもないまま40代になり、スキー場を訪れる客の、スキーを楽しむ顔を見るのが最高の楽しみという日々を送っている。そんなある日、スキー場へ脅迫状が届いた。「ゲレンデの下に爆弾を埋めた」という内容のものであった。警察に通報できない状況の中で、犯人は悠々と身代金を奪取してゆく。ゲレンデを乗っ取った犯人の動機はいったいなんなのか。ゲレンデのどこに爆弾が埋まっているのか。パトロール隊員の根津昇平は、犯人の尻尾を掴もうと、仕舞いこんでいたスノーボードを手にした。1年前の禁断のゲレンデが鍵をにぎっている。
作品考察・見どころ
この作品の最大の魅力は、圧倒的なスケールで描かれる白銀の緊迫感と、主演の渡辺謙が放つ凄まじい眼力にあります。ただのパニック映画に留まらず、雪山という逃げ場のない極限状況を、ダイナミックなカメラワークとスピード感溢れる滑走シーンで描き切ることで、観る者を現場の冷気ごと包み込むような凄まじい臨場感を生み出しています。
物語の深層に流れるのは、組織の利益と個人の良心の狭間で揺れる人間たちの濃密な心理戦です。岡田将生や広末涼子ら多彩なキャストが、それぞれの信念をぶつけ合う様は、白一色の無垢な風景の中でよりいっそう鮮烈に映し出されます。自然の猛威を前に、真に守るべきものは何かという重厚なメッセージが胸を打つ、魂を揺さぶる極上のエンターテインメントです。