あらすじ
「私たち、お父さんのこと何も知らない」。胸を刺された男性が日本橋の上で息絶えた。瀕死の状態でそこまで移動した理由を探る加賀恭一郎は、被害者が「七福神巡り」をしていたことを突き止める。家族はその目的に心当たりがない。だが刑事の一言で、ある人物の心に変化が生まれる。父の命懸けの決意とは。
この橋に架けた愛と償い
親子だからこそ起きた悲劇と奇跡。
この謎を解けるのは、加賀恭一郎しかいない。
「私たち、お父さんのこと何も知らない」。胸を刺された男性が日本橋の上で息絶えた。瀕死の状態でそこまで移動した理由を探る加賀恭一郎は、被害者が「七福神巡り」をしていたことを突き止める。家族はその目的に心当たりがない。だが刑事の一言で、ある人物の心に変化が生まれる。父の命懸けの決意とは。
ISBN: 9784062777667ASIN: 4062777665
作品考察・見どころ
東野圭吾が到達したヒューマンドラマの極致である本作の核心は、単なる犯人探しではなく、死にゆく者が沈黙に込めた「祈り」を読み解く点にあります。日本橋という日本の起点から飛び立とうとする麒麟の翼に託されたのは、過ちを清算し、明日へと一歩を踏み出す勇気です。加賀恭一郎の鋭利かつ温かい眼差しが、崩壊しかけた家族の絆を再生させる過程は、読む者の魂を激しく揺さぶります。 加賀が追うのは、被害者が最期まで歩みを止めなかった真意。それは、親が子を想い、時に罪を背負ってでも守り抜こうとした無償の愛の形でした。言葉が足りなかったがゆえに生じた悲劇と、言葉を超えたところで通じ合う奇跡。東野文学の真骨頂である緻密なロジックと深い情愛が、読了後、実在する日本橋の麒麟像に込められた願いを鮮やかに浮き彫りにする、珠玉のミステリーです。


































































