あらすじ
“本物”のエスパーたちがひそかに集まる喫茶店「カフェ・ド・念力」に、超能力番組の女性ADが迷い込んだ。なんとか能力に気づかれぬまま帰ってもらおうと、エスパーたちは悪戦苦闘するが…(『曲がれ!スプーン』)。エアコンのリモコンを壊してしまい、暑さにうだるSF研究会の前に、なんとタイムマシンがあらわれた(『サマータイムマシン・ブルース』)。SF的ガジェットをたくみに活かした群像劇で注目を集める若手劇作家、上田誠の初戯曲集がついに刊行。映画化原作の2篇に加えて、両作の世界観を繋ぐ書き下ろし短篇『犬も歩けば』を収録。
ISBN: 9784152090775ASIN: 4152090774
作品考察・見どころ
上田誠が描くSFの真髄は、非日常の仕掛けを日常の些細な問題へと収束させる「愛おしい滑稽さ」にあります。緻密に練り上げられた群像劇のパズルが、言葉の連なりによって最後の一片まで完璧に嵌まる構造美は、劇作家ならではの知的興奮に満ちており、読者の想像力を心地よく刺激します。 実写映像の躍動感に対し、活字で味わう戯曲には、伏線が論理的カタルシスへと変わる瞬間をじっくり反芻できる贅沢があります。映像のテンポとテキストの設計図、その両者が共鳴することで、ありふれた毎日に潜む「奇跡」の尊さがより鮮烈に浮かび上がるのです。二つのメディアを往還する楽しみこそ、本作の醍醐味と言えるでしょう。









































