あらすじ
数十年に一度、地球に接近する小惑星。 そこからやってきた、コンクリートブロック型の飛行物体。 乗っているのは、身長数センチのツアー客たち。 「これ、ホッチキスですよねえ!」 「カッター折りますんで、足で押さえててください」 「消しゴムのソファー、弾力いい感じですねえ!」 「マジックインキ、いい匂いがする…!」 ご主人の帰宅も厭わずに、机の上の観光旅行。 ハイポリマーでBBQ、夜には満天の折り紙ミルキーウェイ。 パソコン裏のバカンスへ、地球人もようこそ! ヨーロッパ企画が見せるミクロコスモス。 文房具コメディ、ついに。
作品考察・見どころ
ヨーロッパ企画が放つ本作の真髄は、日常の象徴である文房具をSFという壮大なフレームワークへ昇華させた卓越した発想力にあります。精密に計算された群像劇のアンサンブルは、観客を現実の延長線上にある異次元へと誘い、緻密な舞台演出とカメラワークが融合することで、映像作品としての圧倒的な奥行きを見事に描き出しています。
石田剛太、酒井善史、角田貴志らお馴染みのキャストが見せる、息の合った掛け合いと絶妙な間の美学は圧巻です。矮小な日常と宇宙規模の危機が交錯する中で、人間の滑稽さと愛おしさを浮き彫りにするメッセージ性は、観る者の好奇心を激しく揺さぶります。固定概念を軽やかに飛び越える、極上のエンターテインメント体験がここに凝縮されています。